Codex CLI は作業場所と安全境界を支える
2026-05-28
この資料では Codex CLI の機能一覧ではなく、Agent Skills で作業の判断材料を再利用する話をします
持ち帰ってほしいこと
SKILL.md の入口と本文を分けて考えられるCodex CLI は、Agent Skills を使う時の作業場所と安全境界を支える道具として扱う
弱い依頼は、必要な判断材料がまだ外に出ていない依頼
| 足りないもの | 起きること |
|---|---|
| 前提 | どの前提で作業するか推測される |
| 作業手順 | 作業順序が毎回変わる |
| 制約 | やってはいけないことが漏れる |
| 確認方法 | 確認せずに完了したことになる |
| 証跡 | 何を根拠に完了したか残らない |
短い依頼が悪いわけではない
短くても、必要な前提、手順、制約、確認、証跡が渡っていれば使える
全部を 1 つのプロンプトや CLI オプションに詰め込まない
| 置き場所 | 入れるもの |
|---|---|
| 作業依頼 | 今回の目的、対象、例外 |
| チケット | 背景、受け入れ条件、ユーザーへの影響 |
| Agent Skills | 繰り返す作業順、確認方法、報告形式 |
| プロジェクト文書 | リポジトリ固有の約束 |
| Codex CLI | 作業場所、追加の書込範囲、安全境界 |
| チェック | 機械的に確認できる結果 |
短い依頼は、情報を捨てることではない
情報を、毎回書かなくても読まれる場所へ移すこと
Agent Skills の構造は、まず公式仕様を見る
| 見る場所 | 位置づけ |
|---|---|
| https://agentskills.io/home | Agent Skills の標準 |
| https://agentskills.io/specification | SKILL.md、必須項目、検証 |
| https://github.com/openai/skills | Codex で使う Skill の配布元 |
waza、gh skill |
手元で確認する道具 |
どれが標準で、どれが配布元で、どれが手元の道具かを分けておく
Agent Skills の 1 単位は、特定の作業領域に対する「使うタイミング」と「進め方」
skills/scoped-slide-work/SKILL.md
これくらい小さい方が、いつ読むべきか判断しやすい
Agent Skills は、最初から全文が読まれるとは限らない
| 項目 | 役割 |
|---|---|
name |
安定した識別子 |
description |
いつ読むべきか、いつ読まないかの判断材料 |
| 本文 | 作業時の手順、制約、確認、報告形式 |
references/ |
長い背景や例 |
scripts/ |
再利用する補助処理 |
本文が良くても、入口が弱いと選ばれにくい
標準で必須なのは name と description
それ以外は、この資料では作業しやすくするための型として足す
| 領域 | 位置づけ | 置くもの |
|---|---|---|
name |
標準の入口 | 安定した識別子 |
description |
標準の入口 | 使う場面と使わない場面 |
| 作業手順 | 足す型 | 作業開始から報告までの 3 から 5 手順 |
| 確認方法 | 足す型 | 最低 1 つの確認コマンド |
| 報告形式 | 足す型 | 短い依頼でも返してほしい証跡 |
| 参考資料 | 足す型 | 長い背景や例へのリンク |
長い背景説明は後から足す
Agent Skills の日本語本文は禁止されていない
| 判断 | 方針 |
|---|---|
name |
小文字英数字とハイフンに寄せる |
description |
自動選択で読まれるため、短く具体的に書く |
| 本文 | 実作業の手順は読みやすさを優先して日本語でもよい |
references/ |
長い背景や例として日本語でもよい |
| 評価用の依頼例 | 日本語の依頼を扱うなら日本語例も入れる |
避けたいのは、何でも入った Skill、長い文書の丸ごとコピー、検証できない雰囲気ルール
公式資料から拾える Codex の話は、機能の羅列ではなく実行条件の整理に使える
| 公式資料で見るもの | 発表での意味 |
|---|---|
AGENTS.md |
リポジトリの常時ルールを起動時の文脈に入れる |
| Skills | 短い description で選ばせ、必要な手順だけ読ませる |
| Permissions / sandbox | 書ける場所、ネットワーク、承認の境界を決める |
| CLI / MCP | 作業場所、追加ディレクトリ、外部ツールへの入口を決める |
Codex は「全部知っている相手」ではなく、文脈、手順、権限、道具をどう渡すかで働きが変わる実行環境として扱う
Codex CLI を起動する前に、まずこれだけ決める
| 観点 | 決めること | 例 |
|---|---|---|
| 作業場所 | どのリポジトリで起動するか | Web アプリ、API、ライブラリ |
| 変更対象 | どの範囲を触ってよいか | ログイン画面、注文 API、README |
| 使う Skill | どの手順を呼び出すか | テスト、レビュー、リリースノート |
| 触らないもの | 同時進行の変更や生成物 | DB マイグレーション、認証設定、生成ファイル |
| 完了条件 | 何が通れば終わりと言えるか | テスト、表示確認、git diff --check |
ここが曖昧だと、Agent Skills が良くても作業の境界がぼやける
--add-dir は、読ませるだけの指定として扱わない
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 追加先を編集する | --add-dir を使う |
| 追加先を読むだけ | パスと目的を依頼文に書く |
| どこを編集するか未確定 | 先に対象を絞る |
| 本番データに近い場所 | 使わない |
範囲を広げる前に、なぜ広げるかを書く
依頼の意図、作業範囲、止まる条件を同時に伝える
Codex の設定では、作業を始める前の固定条件を決める
| 観点 | 設定やフックで固定すること |
|---|---|
| Skills | Skills 機能を有効にし、必要な Skill を読み込ませる |
| 作業場所 | 信頼するプロジェクトだけを明示する |
| サンドボックス | 読み取り専用、作業場所だけ書込、制限なしを選ぶ |
| コマンドフック | rm、sudo、git push、git reset などを止める |
| 入力フック | 共通ルールを起動時の文脈に入れる |
| 書込範囲 | --add-dir と依頼文で明示する |
手順は Agent Skills に置き、Codex 設定には使える範囲と止める操作を置く
Agent Skills は一度で完成しない
| 確認するもの | 減らせる事故 |
|---|---|
waza |
必須項目の漏れ、足りない説明、構造の崩れ |
gh skill |
共有や公開の前に、配布できない形に気づく |
| レビュー | 何を確認済みか、DONE の証跡で追える |
仕様は一次情報で見る。手元の確認で、共有前の手戻りを減らす
DONE は終了宣言だけではなく、確認するための入口
人間が見る順番は、変更範囲、確認結果、タスク成果物、残ったリスク
DONE の文章だけで判断しない
| テーマ | 要点 |
|---|---|
| 弱い依頼 | 前提、手順、確認方法、証跡が足りない状態 |
| Agent Skills | 運用知識を再利用可能にするパッケージ |
| Codex CLI | 作業場所、書込範囲、止める操作を決める道具 |
| 確認ツール | waza で構造、gh skill で配布できる形かを見る |
| DONE | 証跡を見て判断する |
構造は標準で確認し、ツールは手元の確認に使う
GENDA 社内勉強会 2026-05-28