2025年のGitHub活動を振り返る:AI駆動開発の年
1,858コミット、42本の技術記事、4つのVimプラグイン。AI駆動開発に本格参戦した2025年の活動を数値とともに振り返ります
1. はじめに
ふと自分のGitHub Contributionsグラフを眺めていたら「3,765 contributions in the last year」という文字列が目に入りました。
2025年はAI駆動開発に本格的に取り組んだ1年でした。Claude CodeとCodex CLIを中心に開発環境を構築し、Vimプラグインを4本開発し、Vim本体へのコントリビューションも達成しました。
数字を見るのは好きなので、データを集計しながら2025年の活動を振り返ってみます。
1.1. 2025年の数字
個人リポジトリへのコミット(2025年): 約2,106 commits
- dotfiles: 1,058 commits(開発環境の改善)
- i9wa4.github.io: 331 commits(技術記事42本)
- github-profile-summary-cards: 315 commits(プロフィール自動更新)
- terraform-mono-repo: 294 commits(インフラコード実験)
- zenn-i9wa4: 55 commits(Zenn記事)
- i9wa4: 53 commits(プロフィールページ)
その他の活動(過去1年間): 約1,659 contributions
- 会社リポジトリへのコミット
- Issue作成・コメント(個人+会社)
- Pull Requestレビュー(個人+会社)
- その他GitHub上での活動
個人プロジェクトへのコミットが約6割、その他活動が約4割の割合です。
1.2. 過去からの流れ
2023年3月にdotfilesとブログリポジトリを作成して以来、少しずつ活動を積み重ねてきました。
| 年 | コミット数 | 特徴 |
|---|---|---|
| 2023年 | 460 commits | 基盤構築 |
| 2024年 | 1,630 commits | アウトプット爆発 |
| 2025年 | 2,106 commits | AI駆動開発への挑戦 |
2024年1月からブログを本格的に書き始めたのが大きな転機で、「学ぶ → 試す → 記事にする」という正のサイクルができました。2025年はそこにAI駆動開発という新しい要素が加わった年です。
2. 2025年の月別主な出来事
- 3月: Terraformモノリポ作成、インフラコードの試行錯誤開始
- 4月: AI駆動開発ツール試用開始(Aider, Devin)
- 5月: uvに完全移行してPython環境を刷新、Terraform + MCP Lambdaの実装に集中
- 6月: Vim本体へ初コントリビューション(感動した)、MCP Lambda実装完了
- 7月: Claude Code導入
- 9月: Codex CLI導入
- 10月: dotfilesの月間コミット数が263に達して過去最高を記録
- 11月: Vimプラグイン開発加速
3. 2025年の活動詳細
2025年は特にAI駆動開発に力を入れた1年でした。ここでは主要な活動を詳しく振り返ります。
3.1. AI駆動開発環境の構築
Claude CodeとCodex CLIを中心に、自分専用のAI駆動開発環境を作り込みました。
3.1.1. カスタムスラッシュコマンド開発
よくある作業を自動化するために10本以上のカスタムスラッシュコマンドを開発しました。
/CONTRIBUTING: プロジェクトのルール(このドキュメント自体)をAIに覚えさせる/my-commit: Gitコミット時のお作法をAIに任せる/my-review: PRレビューをAIにサポートしてもらう/issue-to-pr: IssueからPRまでの流れを3フェーズで管理/learn-bigquery,/learn-dbt,/learn-databricks,/learn-jupyter-notebook: 技術学習用コマンド/restricted-bigquery-dbt-environment: 制約付き環境での開発をサポート/summarize-reviews: レビューコメントを要約
これらのコマンドはdotfilesで管理していて、どのプロジェクトでもすぐに使える状態にしています。
3.1.2. Vimプラグイン開発
VimからAI CLIを快適に操作するためのプラグインを開発しました。
- ddc-source-slash-commands: スラッシュコマンドをVimで補完できるようにする
- vim-tmux-send-to-ai-cli: Vimからtmux経由でAI CLIにプロンプトを送る
この2つのプラグインのおかげで、Vimで書いたコードやテキストをそのままAI CLIに送れるようになりました。
3.2. ターミナル環境の最適化
Vim + tmux + Alacritty + Zsh + AI CLI を組み合わせた統合環境を構築しました。
テーマの自動切り替え、透明度制御、カラースキームの統一など、細かいところまでこだわってスクリプトで自動化しています。
正直やりすぎ感はありますが、自分の環境を極限まで最適化するのは楽しいですね。dotfilesに1,000コミット以上している理由がこれです。
3.3. データエンジニアリング実務
仕事ではdbt、Databricks、BigQueryを使ったデータ基盤開発に取り組んでいました。
主な成果:
- dbt incremental モデルの最適化とベストプラクティスの確立
- Devcontainer環境の構築による開発環境の標準化
- Databricks Connect を使ったローカル開発フローの確立
- BigQuery + dbtのパフォーマンスチューニング
これらの知見は技術記事として公開していて、特にdbt関連の記事は多くの人に読んでもらえているようです。
3.4. 技術記事執筆
2025年は42本の記事を書きました(ブログ37本、スライド5本)。主な記事をいくつか挙げます。
3.5. Vimエコシステムへの貢献
2025年はVimプラグイン開発にも力を入れました。
開発・更新したプラグイン:
- vim-tmux-send-to-ai-cli: Vimからtmux経由でAI CLIにプロンプトを送る
- ddc-source-slash-commands: スラッシュコマンドの補完
- vim-dbt-jump2def: dbtプロジェクトで定義ジャンプ
- vim-markdown-number-header: Markdownの見出し番号付け
特に嬉しかったのは6月にVim本体へ初めてコントリビューションできたことです。小さな修正でしたが、長年使ってきたVimに貢献できたのは感慨深いものがありました。
3.6. Terraformとインフラコード
3月から6月にかけて、terraform-mono-repoでTerraformの勉強に力を入れていました。
特に5月から6月にかけてはMCP(Model Context Protocol)のLambda実装に集中していて、VPC構成やECRへのイメージpush、GitHub Actionsとの連携など、かなり作り込みました。
結局実務で使う機会がなかったので現在は中断していますが、この経験はインフラコードへの理解を深めるのに役立ちました。
3.7. その他の実験プロジェクト
小規模な実験プロジェクトもいくつか動かしていました。
- 各種hands-onリポジトリ: go, nix, mcp, ghaなど、技術検証用のプロジェクト
- mcp-databricks-server: Databricks MCP Serverの試作
これらは成果物としては小さいですが、新しい技術を試す場として活用していました。
4. 振り返ってみて
4.1. 2025年の成果
2025年はAI駆動開発という新しい領域に本格的に取り組んだ年でした。
主な成果:
- Vimプラグイン: 4本開発・更新
- Vim本体への初コントリビューション
- Claude Code カスタムスラッシュコマンド: 10本以上
- 技術記事: 42本執筆(ブログ37本、スライド5本)
- dotfilesコミット: 1,058回(月平均96回)
- 総コミット数: 2,106回(個人リポジトリ)
Claude CodeとCodex CLIを軸にした開発環境を構築し、「ツールを使う側」から「ツールを作る側」にもなれた1年です。
4.2. 学びと試行錯誤
すべてが成功したわけではありません。Terraformモノリポは実務で使う機会がなく中断しましたし、MCP Lambda実装も結局本番投入には至りませんでした。
でも、それも含めて色々なことに挑戦できた充実した年でした。失敗から学ぶことも多く、次に活かせる経験になっています。
4.3. これから
AI駆動開発環境はまだまだ改善の余地があります。特にVim + tmux + AI CLIの連携をさらに洗練させたいと考えています。
データエンジニアリング領域でも、いくつか新しい実験を始めています。詳細はまた別の機会に。
2026年も新しい技術に挑戦しながら、学んだことを記事にして共有していきます。この習慣は続けていきたいですね。